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どっち派?「大将季」vs「デコポン」金沢の老舗八百屋が解説


「デコポン」と「大将季(だいまさき)」の違いをご存知ですか?見た目が似ているフルーツですが、歴史や味の特徴などには明確な差があり、完全な別物です。どちらが美味しい?どちらが高級?その違いを知れば、よりよいフルーツギフトが選べるようになります。そこで今回は、金沢の老舗八百屋である私たちHORITAが、食べ比べなどを通してその違いを徹底的に紹介します。


「デコポン」と「大将季」それぞれの歴史・味の違い




上の写真には「デコポン」と「大将季」が写っています。

どっちがどっちかわかりますか?

答えは、左が「デコポン」で右が「大将季」です。うーん、区別つかないですね。一般的には「大将季」の方がより鮮やかなオレンジ色になりやすいと言われますが、それでも百発百中で言い当てるのは、プロでも難しいと思います。 


それでは今から、それぞれの生まれからお話しいたしましょう。


「デコポン」も「大将季」も、同じ「不知火(しらぬい)」から始まった!




「デコポン」のはじまり


1972年、農林水産省果樹試験場口之津試験場にて『清見』と『ポンカン(中野3号)』のかけあわせより「不知火(上の写真)」というフルーツが生まれました。これが、「デコポン」の始まりです。 「不知火」は、やがて熊本県宇土郡不知火町に伝わり、栽培が広まります。しかし実は「不知火」は品種登録されなかったため、正確には品種名ではありません。 


1991年3月1日、不知火の中から特に優れたものを選抜し、「デコポン」と名付けて初めて出荷しました。「デコポン」という名は、熊本県果実農業協同組合連合会により商標登録され、保護されることに。これが「デコポン」の始まりです。これ以後、「デコポン」は、日本園芸農業協同組合連合会と商標権再使用契約を結んだ、県連協やその傘下の農協からしか出荷されないことになります。品質基準を満たした「不知火」のみが、「デコポン」の名前で市場に流通していきました。

 

「大将季」のはじまり


時と場所は変わり、平成9年、鹿児島県の阿久根市より「大将季」が始まります。「不知火」を生産する大野孝一さんが、ご自身の園地にて「不知火」の枝変わりを発見。その後、その変異種の増殖育成に成功。平成18年、大野さんの「大」と、息子さんのお名前「将季」をあわせた「大将季」という名前で、品種登録されました。これ以来、「大将季」は鹿児島県のオリジナル品種の特産フルーツとして人気を博しています。


 デコポンは、「不知火」の選抜品であり、その名は商標登録されています。「商標登録」をすることで、登録した新品種のブランド名を半永久的に独占でき、ブランド化を図り、品質を維持することができます。しかし品種名ではありません。「大将季」も同じ「不知火」に端を発するフルーツですが、こちらは「大将季」という名で品種登録されています。品種登録をすることで、登録した新品種の種苗等の生産を一定期間(25年か30年)独占でき、新品種の種苗を守ると同時に品質も守ることができます。


ここに両者の戦略上の違いも伺うことができます。 


厳しい審査基準をクリアしなければならない


「デコポン」も「大将季」も、市場に出てくるのは、ともに基準を満たした優等生です。


 「デコポン」は光センサーにて、糖度13度以上、酸度1%以下を満たしているかどうかを審査され、それをクリアしたものだけが「デコポン」という名で出荷されます。これは全国統一基準で、柑橘類のなかで、唯一全国統一された基準があるフルーツです。 「デコポン」の出荷時期は、産地によってさまざまです。もちろん年度によって多少のずれはありますが、一般的には熊本県では12月頃からハウス栽培のものが出始め、露地物へと移行し6月いっぱいまで続きます。佐賀県では例年11月下旬から翌年の3月下旬までですし、愛知県産は、特に樹上で約1~2か月かけて出荷直前まで熟させることにこだわり、例年の出荷時期は4月からです。


「大将季」も同じく光センサーにて、厳しいチェックを受けます。そして糖度13以上、酸度1%以下の基準を通過したものだけが市場に出回ります。収穫はハウス・露地の順に11月下旬から始まり、4月ごろまで続きます。


「デコポン」と「大将季」食べ比べ!


より甘酸っぱい「デコポン」

甘さが際立つ「大将季」




「デコポン」と「大将季」を食べ比べてみて、改めて違いが明確になりました。(※これはあくまで、検証を行った本人の主観的なものですが)


 まず「デコポン」から。

とても皮が剥きやすいです。

パクッとお口に入れると、じょうのう(薄皮)が薄く、プリプリ食感とともに果汁がジュワっと広がり、甘さとほどよい酸味が同時に感じられます。

甘さは、濃厚にしてぱっと広がる明るい甘さとでも言いましょうか。

1%以下の酸味もそれなりに主張してきます。

 

次に「大将季」を食べてみました。

こちらも皮の剥きやすさは「デコポン」同様で、じょうのう(薄皮)も同じく薄くて柔らかく、「デコポン」同様、プリプリ食感でジューシー。

味は、酸味は「デコポン」よりは若干弱めに感じられました。

甘さも強く濃厚で、特に甘さの質が「デコポン」と違い、口の中でどんどん甘くなるような感じの奥行きを感じました。


「デコポン」が、ぱっと広がる明るい甘さなら、「大将季」はまろやかでマイルドな甘さと言ったところでしょうか。  「デコポン」も「大将季」も、糖度13以上、酸度1%以下という同じ基準でありながら、特に酸味の感じ方、甘さの質、この2点がわりとはっきりわかる違いでした。それぞれがしっかり方向性を持ち、異なる美味しさを満喫させてくれるフルーツであると、今回の食べ比べで再認識しました。


気になるてっぺんの”あれ”は、美味しさに影響するの?




「デコ」の形状から美味しさを判断できるのか?

答えは、「No」。

上部の突起は一般的に「デコ」とも呼ばれているそう。そんな 「デコポン」や「大将季」独特の、てっぺんの突起物、気になりますよね。


一般的には大小で味に影響はないとされておりますし、私も念のため、実際に食べ比べてみましたが、特に差は感じませんでした。 元来、「デコポン」も「大将季」も、糖度13以上、酸度1%以下という厳しい審査に合格して出てきますから、特に意識しなくても大丈夫ですね。


結局、どっちがオススメ?

それはお好み次第で


どっちが美味しいの?

どっちがオススメなの?


これはもう、人それぞれというほかありません。

柑橘類に酸味も求めるなら「デコポン」がいいと思いますし、その反対なら「大将季」。甘さや風味は質が異なりますので、食べてみないとどっちと相性がよいかわからないですね。トータルでどちらが優れているとも言い切れません。結局、各自のお好みでというほかありませんね。大切なのは、「その違いを意識して」ご自宅用に、ギフトに、的確に選べるということではないでしょうか。


「大将季」も「デコポン」も、ギフトにイチオシ


「デコポン」と「大将季」、両方ともギフト向きのフルーツです。

両者とも、”優れた味わい”、”見た目に華がある”、”保存しやすい”というギフト向きの3要素を全部兼ね備えています。味わいは「食べ比べ」で検証した通り。「デコポン」も「大将季」も、パッと目に飛び込む鮮やかなオレンジ色をしており、大きいものから小さいものまであるため、ギフトの華、名脇役、両方こなすことができます。そして、常温である程度保存することができます。以上の通り、両者ともとてもギフトに向きます。


「デコポン」と「大将季」をギフトに一緒に入れない方がよい


例えば贈るお相手がとても柑橘類が好きな方だからといって、両者を入れたりするようなことは、あまりオススメできません。

味わいに明確な違いがあるとは言いましたが、両方とも「不知火」から始まっているだけあって、共通する側面もありますし、なにより見た目が似ています。当オンラインショップでも、「デコポン」と「大将季」の両方が入ったフルーツギフトをご用意しておりません。どちらか一方だけを選ぶことをオススメします。


HORITAの実店舗でも「デコポン」「大将季」はギフトに大人気


「デコポン」「大将季」ともに、例年だいたい12月ごろから店頭で見かけるようになります。

私たちHORITAの実店舗においても例外ではありません。そしてその期間は、お歳暮にはじまり、御年賀、成人のお祝い、卒業祝い、入学祝などギフトを贈る機会が数ある時期でもあります。 どちらも人気の高いフルーツです。HORITAの実店舗においても、特にお歳暮シーズンにはよく選ばれますし、「デコポン」や「大将季」だけを詰め合わせて贈られる方もおられるように、両者の人気ぶりが伺えます。 フルーツにこだわりたい方、ギフトにこだわりたい方は、「デコポン」「大将季」ともにイチオシのフルーツです。


まとめ


「デコポン」は「不知火」の選抜品で、「大将季」は「不知火」の枝変わりから生まれた新品種。

両者とも、糖度13以上酸度1%以下の基準をクリアしたもののみが市場に出回ります。

デコポンはより酸味が感じられて甘酸っぱく、大将季は酸味控えめで甘さが際立ちます。

甘さは両方とも濃厚で、甘さの質や風味に差があります。

美味しく色鮮やかで保存もきくので、ギフトにも向いています。

営業カレンダー
Calendar

下記営業カレンダーになります。
休日となる日は、通販の配送等も対応しかねますので
ご了承くださいませ。

金沢のフルーツ専門店・ギフトなら堀他(HORITA)
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