金沢の「源助大根」のおでんは天下一品!源助の他におでんなし
源助大根(げんすけだいこん)をご存知ですか?
源助大根は、石川県金沢市の伝統野菜「加賀野菜」15種類の1つです。
どでんと太った大根で、「おでんにしたら天下一品の味」と言われています。
今回は、そんな源助大根の歴史、味わい、おすすめの食べ方を、金沢の老舗八百屋が詳しく説明します。
源助大根って、なに?
源助大根(げんすけだいこん)は、加賀野菜(金沢の伝統野菜)15種類の一つ。
おでんやふろふき大根、ぶり大根など、
煮炊きしてたっぷり味をしみこませると、これ以上ない味わいです。
金沢市打木町の篤農家・故松本佐一郎氏が生みの親。
昭和7年に生育力の強い切太系を導入し、在来種との自然交雑によってできたものを毎年選抜。
昭和17年に今の源助だいこんができあがりました。
源助大根の味、食べ方
煮るとプリプリ食感 生食では、ほんのり甘い。
源助大根の食べ方の基本は2つ。
煮炊きすることと、生で食べることです。
煮炊きすると、ぷりぷりでとても柔らかくなるのに、
不思議とあまり煮崩れしません。
生で食べればとても瑞々しく、ほんのりとした甘さが感じられます。
真っ先に「おでん」で食べるべし!源助大根のおでん
源助大根は、おでんのためにあると言っても過言ではありません。
かつては「源助大根のおでんは、天下一品!」と称されていたほどです。
青首大根のような苦みは薄く、大根本来の味わいと風味が感じられます。
煮崩れしないのに、ぷりぷりで柔らかい食感とみずみずしさ。
ほろほろと口の中でとろけながら広がる味わいは、何とも言えません。
みずみずしく、ほんのり甘い味わい!源助大根のサラダ
煮炊きだけでなく、生食にも向いています。
青首大根より水分を多く含み、とてもみずみずしく、
ほんのり甘い味わいがあります。
大根独特のクセが少ないため、サラダにすると、どんな野菜とでもマッチ。
クセになる美味しさがあります。
源助大根の今まで
一筋縄ではいかなかった源助大根の普及
今ではおでんやサラダで愛される源助大根も、
その普及には多くの苦難がありました。
そもそも金沢の地物野菜として定着していましたが、
やがて青首大根が市場を席捲するようになるのです。
源助大根は、後継者不足が懸念されるようになりました。
そんな中でも、「加賀野菜ブランドだから」と、
作りたいという人が少しずつ、増えてくるようになります。
しかし、「す」(中のちょっとした空洞)が入りやすい、
形や大きさがそろわない、雨が降ると割れやすいなど、
収穫を左右する複数の難点により、なかなか軌道に乗りません。
源助大根の普及には、難しい課題が山積みとなっていました。
「上質な源助大根」を追い求めて
それでも生産者たちは諦めませんでした。
肥料や収穫のタイミングを考え、いい種を持ち寄り、
源助大根を何としても後世に受け継ぐべく、
全員が一丸となって研究を重ねたのです。
そんな生産者たちの、ひたむきで、たゆまぬ努力があって、
やっと今の源助大根ができました。
今では後継者の育成も進み、
源助大根は着々と後世に受け継がれていっています。
今でも地元金沢で、愛され続ける源助大根
金沢市民は日本一おでんが大好き。
源助大根をみかけると、とりあえずカゴに入れてしまう方も多くおられます。
私たちHORITAの金沢の実店舗「堀他香林坊大和店」でも、
源助大根が出回る時期になると、そんな光景を毎日のように目にします。
「やっぱり源助大根は、金沢の人々にとって、あって当たり前の存在なんだなぁ」
寒さの厳しい季節でも、源助大根をカゴに入れるお客様を見かけるたび、
なんだかとっても微笑ましく、ほっと温かな気持ちになるものです。
煮たり炊いたりした源助大根の味わいは、やっぱり唯一無二。
その味わいは、金沢の人々の記憶の中に深く根付いているのでしょう。
源助大根は、今でも金沢で愛され続けています。
源助大根は、こだわりの大根
源助大根は、決して万能な大根ではありません。
辛みが少ない分、大根おろしには向いていませんし、
その他にも様々な場面で物足りなさを感じることもあるでしょう。
しかし、煮炊きや生食など調理法さえ合えば、
源助大根は抜群の味わいを楽しませてくれます。
それはまさに伝統野菜の真骨頂ともいえる味わい。
料理にこだわる方にこそおススメしたい天下一品の大根なのです。
まとめ
金沢の加賀野菜の一つ「源助大根」は、おでんにすると天下一品と称されるほど、
煮炊きして食べるのに向いている大根です。
煮炊き以外にも、生食も向いており、みずみずしくほんのり甘さも感じられます。
青首大根に市場を奪われたり、栽培が難しかったりといった
数々の苦難を乗り越えた源助大根は、今でも金沢を中心に愛され続けています。